こんな人におすすめ
- とにかくお肉が好きな方
- 見た事のない肉料理が好きな方
- 世界の肉事情を知りたい方
ガーナのお肉事情は?
ガーナでは牛、豚、鶏など日本でも食べられているお肉が食べられています。
それに加えて、ヤギや羊、犬、蛇などなど、珍しい動物から日本で食べられない動物まで多くの種類が食べられます。
お肉好きにはたまらない国ですね。
しかし、アフリカの国と言えば、食糧難というイメージがありますね。
どうして様々な種類のお肉が食べられているのでしょうか?
特に西アフリカ地域は乾燥した気候区が多く動物の成長する資源が少ないため、畜産分野での発展は遅れています。
一方で、お肉に含まれる動物性タンパク質は人々の生活に不可欠な栄養素である事から、畜産分野と経済分野には深い関係性があります。
一般にはGDPの成長率が6%を超えると畜産業の発展も進むと言われており、GDP成長率が近年6%に近づいているガーナでも少しずつ畜産業が成長してきています。
ボクがガーナに留学していた2018年は国内での畜産業が盛んになりかけていたということですね。
畜産業が日本のようにまだ成熟しきっていないガーナでは、野生動物を貴重な動物性タンパク質として利用しているため、食べられているお肉の種類が多いのです。
お肉の種類が沢山あるというのはジビエブームがきている日本では良いイメージで捉えられますが、そうとは限りません。
野生動物は寄生虫やウイルスを持っている場合があり、食べたり触ったりする事で人に感染するというリスクが存在します。
コロナウイルスやエボラ出血熱といった感染症の多くは野生動物から始まっているとも言われています。
畜産分野は人々の食料安定供給という面もありますが、野生動物を利用する目に見えないリスクから人を守るという面もあるのですね。
現在、畜産分野が発展しつつあるガーナは、野生動物と畜産が同時に利用されるという珍しい国の一つですので、食べられているお肉も特別でした。
ここからは実際にボクがガーナで食べたお肉に限定して詳しく見ていきます。
ガーナでメジャーなお肉、牛・豚・鶏・ヤギ!

お肉と言えば、牛・豚・鶏が日本ではメジャーですね。
この3種に加えてガーナではヤギが主に食べられています。
ガーナにはイスラム教の方もおり、目にする機会はやや少ないですが、どのお肉もレストランや道端の露店で食べる事が出来ます。
味についてはみなさんご存知の味ですが、飼育方法などはやや異なります。
大型の施設で日本と同じような飼育をする企業もありますが、多くの地域では人々の生活域に放し飼いされる事が多いです。
そのため、水溜りから水分を摂取する鶏や、捨てられたごみを食べるヤギは毎日見ていました。
よく言えばストレスフリーの環境ですが、動物にとってよい餌を与えているわけでもなく、そのお肉を食べる人にとってもあまりよい飼育ではないなと思います。
また、お肉を販売する露店は屋外なので、常にハエが沢山飛んでいます。
そんな場所で作られたお肉は日本のように安全とは言い難く、実際に、食中毒を起こして1週間以上寝込みました。
ガーナでお肉を食べる時は最低でも加熱がしっかりとされた物だけを食べましょう。
ガーナでもマイナーなお肉、犬・カタツムリ!

続いて、ガーナの中でも一部の地域でのみ食べられているお肉が犬・カタツムリです。
日本で犬はペットとしての地位を築いており、食べる人はいないと思いますが、韓国では食べる事もある立派な畜産動物です。
ガーナでは北部に犬を食べる地域が少しあり、ボクもそこで食べました。
南部に滞在している時に北部の話をすると、「犬を食べるのは北部の人だけだ!」と強めに言われるくらいガーナでも珍しいです。
日本のようにペットとしての種類が豊富なわけではないですが、ガーナでもペットとして飼う人は多く、元から食文化のある地域以外では敬遠されていました。
肝心の犬肉は、豚のようにしっかりとした味で、脂肪が少なく噛み応えがありました。
体形の近いヤギとも似ていますが、ヤギより臭みは少なく、お肉としてはかなり美味しかったです。
一方で、カタツムリは南部の少し湿潤な亜熱帯地域で食べられています。
日本でいうカタツムリは梅雨に見かける2~3㎝程ですが、ガーナのカタツムリはアフリカマイマイという10㎝程度ある大型の種類です。
フランス料理ではエスカルゴが人気ですが、食用に飼育され調理されたカタツムリとは異なり、恐らく野生のカタツムリを取って食べています。
その証拠に、カタツムリの食感はお肉だけど泥を食べているような味で、臭いも悪く、唯一最後まで食べられませんでした。
野生動物?畜産動物?新たなお肉、グラスカッター!

最後はガーナ人に絶大な人気を誇るお肉グラスカッターです。
日本で知っている人はかなりのアフリカマニアといって良いでしょう。
グラスカッターは大型齧歯類で、いわゆる「大きなネズミ」です。
世界中でもグラスカッターと近い種を食べている地域が多く、アフリカではギニアピッグ、南米ではヌートリアやビスカーチャなど、同じようなお肉が食べられています。
また、戦時中には日本でもヌートリアを食用と毛皮用に飼育されていた事があり、西日本の一部地域で現在も食べられる事があります。
そんなグラスカッターは乾燥した水の少ない地域でも生息できる小型動物であり、古くからガーナ人に愛されてきたお肉です。
新年や誕生日会など、大きなイベントの時に食べられる事が多く、値段も1kgが100セディ(約2000円)程度と日本で買っても高くで取引されています。
グラスカッターが他の動物より高い理由は、多くを野生のものに依存しているため、供給量が不安定だからです。
また、乱獲で野生の個体数が減少している事、野生動物なので感染症のリスクが高い事などの理由から、現在ガーナではグラスカッターを家畜化する取り組みが盛んに行われています。
今後、ガーナでグラスカッターの畜産が成功して、日本に輸出する日がくるかもしれませんね!
ちなみにグラスカッターは、豚のような特有の味と香りがあるものの、鶏のような淡泊さや食感も併せ持った、足して2で割ったお肉でした。
ネズミというと汚い場所に住むイメージが強いですが、もう一度食べたくなる味だったので、日本でもヌートリアにチャレンジできたらなと思っています。
まとめ
今回はボクがガーナで食べたお肉に限定して、ガーナの畜産事情と共に紹介しました。
ガーナではお肉はガーナ料理のスープにつけて食べる事が多いです。
ガーナ料理についてはこちらの記事をご覧ください。
ボクはチャレンジする機会がありませんでしたが、ガーナでは他にも猿・コウモリ・蛇などが食べられています。
しかし、様々なお肉の種類がある一方で、ほとんどは野生動物に依存しているため、ガーナ国民全員が動物性タンパク質を日常的に摂取できる環境とはいえないのが現状です。
この現状を改善するためにも、畜産分野を発展させることが重要で、ガーナでは日々研究等が進められています。
また、文化として根付く野生動物の食利用は、感染症のリスクといった衛生面の問題と生態系バランス破壊の懸念という問題があるため、同時に解決していく必要があります。
人々の生活と文化が関わる複雑な課題ですが、少しずつ前進しているので、近い将来には解決できると信じて注視していきたいなとお肉好きとして思います。