こんな人におすすめ
- ガーナの国旗を知りたい方
- 世界の国旗が好きな方
- 国旗に隠された意味を知りたい方
ブラックスターと呼ばれるガーナの国旗

みなさんはガーナの国旗を見た事がありますか?
赤色、黄色、緑色の3本線に黒い星が中央に位置するわかりやすい国旗です。
日本の国旗と比べて、ガーナの国旗には色が多く使われており、意味が沢山ありそうですね。
日本の国旗は極端に色が少ないだけですが。
今回紹介するガーナの国旗は、1957年3月6日、イギリスから独立した時に制定されました。
しかし、独立から現在まで、国旗が変更されていた時期がある事はあまり知られていません。
現在と異なる国旗が使われていたのは、1958年から1966年ですが、この期間になんと4回も変更されています。

黒い星の数が主な違いです。
これは1958年から1963年に結成されていたアフリカ諸国連合の参加国であるマリ、ガーナ、ギニアの西アフリカ3ヵ国の数です。
結成当初はガーナとギニアによるガーナ・ギニア連合だったため、1958年から1961年までは星の数が2つでした。
そして、1961年にマリが参加したことで星が3個の国旗が使用されるようになりました。
1962年からは独立時の国旗に戻り、1963年のアフリカ諸国連合解体後の1964年から1966年までは真ん中の線が白色になった国旗を使用した後、再び独立時の国旗に戻りました。
現在使われている国旗のように黒い星が中央に位置する特徴から、サッカーなどではガーナ代表チームをブラックスターと呼ぶ事もあります。
首都アクラにある独立広場には黒い星が上にある大きなゲートがあり、ガーナ人の誇りとしても認知されています。

真ん中の黒い星がある国旗はガーナで覚えるといいですね。
ガーナの国旗の意味は?
ガーナの国旗の色は横線が上から赤色、黄色、緑色です。
国旗の中央には黒い星が配置されています。
それぞれの色や形には以下の意味があります。
赤色 国が独立する時に流れた血
黄色 国の鉱物資源と富
緑色 森林と自然の恩恵
黒色の星 アフリカの自由を象徴
ガーナの国旗にも使用されている赤・黄・緑の色づかいは、汎アフリカ色と呼ばれている組み合わせでアフリカ諸国ではよく使用されています。
この組み合わせは1798年に制定されたエチオピアの国旗で使われ始めたそうです。
意味は上に示してある通りで、アフリカ諸国の中で唯一の独立国であったエチオピアで使用されていた組み合わせは他国の独立運動家から尊敬を集めていたそうです。
そのため、1957年にイギリスから独立したガーナを始め、宗主国から独立したアフリカ諸国の多くはエチオピアの国旗と同じ3色を国旗に使用しました。
アフリカ諸国の国旗に同じ色づかいが多いのはそういった理由があったのですね。
また、世界黒人開発協会アフリカ社会連合によると、汎アフリカ色は赤・緑・黒であるという説もあり、黄色ではなく黒色を使用する国も存在します。
アフリカ諸国の国旗を覚える時は赤・黄・緑・黒を意識すると覚えやすくていいですね。
ガーナが独立する以前の国旗

ガーナが1957年にイギリスから独立したのですが、それ以前はイギリス領ゴールドコースト、イギリスの植民地になる前はアシャンティ王国として栄えていました。
現在のガーナがある地域には、1471年にポルトガルが来航してから、絶えず欧州からの侵略を受けていました。
ガーナは金をはじめ、鉱物が多く採れる土地であったため、当時の欧州諸国は嗜好品や武器を輸出し、金や鉱物を輸入する取引を開始しました。
欧州諸国が小王国と取引をし、一部の王国が強大な力を得るようになったことで近隣の小さな王国は吸収され捕虜を奴隷として輸出する奴隷貿易に繋がっていきました。
そのような歴史の中で力をつけた国がアシャンティ王国です。
1670年に建国したアシャンティ王国は現在のガーナ中部に位置するクマシを中心として発展しました。
当時、侵攻の中心であったイギリスとの争いを続けながら、1902年に併合されるまでは国家として認められており、植民地となった後、更にはガーナが独立した後も政府が認める立憲君主制王国として存在しています。
アシャンティ王国の国旗は1670年に制定されて以降、現在も使用されている国旗であるため、エチオピア発祥の汎アフリカ色とは違う色づかいをしています。
また、中央の机のような印はアシャンティ王権の象徴「黄金の床几」を表しています。
この黄金の床几には、生者や死者、まだ生まれていない者を含めたアシャンティ王国の人々すべての魂が住むと信じられています。
イギリス領ゴールドコーストの国旗には、宗主国であるイギリスのユニオンジャックが描かれ、ガーナに生息するアフリカゾウの絵とゴールドコースト(Gold Coast)の頭文字であるG.C.が描かれています。
現在、G.C.という表記の仕方はガーナの州を表す際にも使用されており、首都アクラが属するグレーターアクラ州(Greater Accra region)はG.A.、アッパーウエスト州(Upper West region)はU.W.など町の至る所で目にすることが出来ます。
まとめ
本記事ではガーナの国旗について、昔の国旗や国旗の意味を紹介しました。
国旗を知れば、その国の歴史がわかるというように、ガーナの歴史的な成り立ちが使用された歴代の国旗を見ていく事で明らかとなりました。
アフリカ諸国においては、欧州諸国の植民地であったという共通点がアフリカ大陸全土であり、国旗の成り立ちにも共通する点が多い事がわかります。
サハラ以南のアフリカ諸国の中では最も独立の早かったガーナは他国と比べても国旗に対する愛着が強く、国旗その物だけでなく色づかいまでもが街づくりの中に組み込まれているようでした。
日本ではあまり見かけない、自国の国旗カラーを使った建造物やアイテムが沢山目に出来るのもガーナの良い部分の一つかもしれませんね。