ガーナ大学への研究留学を経て農学修士号を取得。1年のガーナ生活を活かして、ガーナ生活と留学について発信中!

上手くいく方が珍しい!ガーナでの研究の様子を紹介

こんな人におすすめ

  • 研究留学を考えている方
  • 大学院生の研究を知りたい方
  • ガーナと日本の研究の違いを知りたい方
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Musyaの研究分野とは?

研究の様子を紹介する前に、まずはMusyaの研究分野を簡単に紹介します。

今回の記事と一緒にこちらの記事を合わせて読むと、研究留学がわかりやすくなります。

ぜひご覧ください。

なぜ、紹介が必要なのかというと、理系で研究をすでにしている大学生であればイメージが着くと思いますが、実験風景というのは分野によって大きく違います。

あらゆる溶液や物質を使い、実験室で安全メガネをしながら行う化学系の研究、少しの誤差で結果が変わってしまうミクロの世界を調べる研究が皆さまの想像する理系の研究だと思います。

ボクの分野は少し違い、フィールドに出て農作業を行い、そこで得たサンプルを実験室で分析するという外と内が混在する研究です。

植物や動物の世話をする事もあり、自然の影響を受けやすい研究のため、やったからと言って結果が出るとは限らない根気のいる研究です。

もちろん、他の分野も根気はいりますが、自身の事を美化して書いておりますのでご了承ください。(笑)

自然に影響を受けやすいという事は、ガーナでしかできない実験があるという事で、ボクは留学をする必要性があったのです。

ボクがやっていた研究は、大きく言えばフィールドに出て行う農業系の研究だと思ってもらえればいいと思います。

それでは、ここからはメインであるガーナの実験風景を紹介していきます。

ガーナ大学の研究室を見てみよう

ガーナ大学の研究室です。本学キャンパスと少し遠い田舎にあるので、研究室っぽくはありません。

これは、ボクが通っていたガーナ大学付属農場の研究室です。

研究室と聞いて、みなさんも驚かれると思いますが、ボクの常識を超えた研究室でもありました。

ボクの研究の大半は農場で行うものだったので、実験はちょっと良さげな納屋のような場所で行っていました。

ちなみに、研究室の隣は本当に納屋で、耕運機等の農具が置かれていました。

研究室の中はスッキリとしています。

室内は小ぎれいですが、外が砂地で乾燥しているため、中に砂が入ってきます。

そのため、朝一の仕事は床の掃き掃除です。

窓やドアにはもちろん隙間があるので、虫が部屋にいるのは当たり前で、実験室として良いのかはわかりませんが、一通りの実験器具もあり何とかやっていけました。

また、実験室というのは基本的には実験結果に影響が出ないようにクーラーで室温が調整されています。

ガーナの場合、乾燥しているので陰になる室内の気温はそこまで高くはならないものの、常に30℃くらいはあり、室温にしては高めでした。

クーラーも設置されてはいますが、停電になる事も多く気休め程度なのがガーナらしいなとも思えてきます。

ここにはガーナ大学の技術職員として、実験の補助をしてくれる技術士さんが常駐しており、ボクは助けてもらいながら毎日実験をしていました。

ガーナ人のルーズさや停電、断水など、日本では出くわさないであろう困難に立ち向かう日々は今になると笑い話ですが、かなり忍耐が必要だと思うので、今後留学される方は気をつけてくださいね。

日本とここが違う!ガーナの研究室の特徴

日本とガーナの研究は似ている部分もあります。ガーナらしいなと思える自然に近い場所での研究も醍醐味です。

次に、実験を進める中で日本と違う部分を実験の様子と共に紹介します。

農場の研究室は「Nutrition lab」と呼ばれています。

ここでは動物の餌となる植物や動物の栄養成分を分析する研究室で、それに必要な機械や器具が揃っています。

栄養成分というのは、簡単に言えばタンパク質や脂質、食物繊維、灰分などで、測定方法は基本的には全世界共通なので必要な機械も同じです。

ボクは日本にいる間、実験に必要な機械の原理や使い方は学んでいたので、英語であってもできるだろうと思っていました。

しかし、ここで1つ目の日本と違うポイントです。

研究室では、型が古くて機能面で難のある機械や壊れたままの機械をそのまま使用していました。

日本の大学でも最新式というわけではありませんが、ある程度は新しい機械で故障するとすぐに直すので、不具合は中々置きません。

ガーナでは何とかなればそのまま使用し続けたりしており、機械が高額とはいえ何とかならないのかなと感じていました。

最も驚いたのは、「ドラフト」です。

ドラフトは有害な気体が発生したり、危険な物質を用いた実験の時に使う、換気扇がついた作業空間です。

ボクが行った時にはすでに壊れてから何年も経っていたようで、換気扇は回らない、窓は割れている状態だったので、ただの作業机と同じでした。

体に有害な気体を使用する時は、開始直後から全員が屋外に避難し、終了時は手で鼻と口を多いなが機械を停止させに行きます。

もちろん、室内に充満しているので、体に入りますし、翌日まで立ち入り禁止になるのでお金をかけて直してほしいなと願っています。

2つ目のポイントは自然にまかせた研究計画です。

これは実験風景とは少し異なりますが、停電が多いガーナでは余裕を持った研究計画が必要です。

日本では1日で終わる実験も、ガーナでは運が悪いと1週間以上かかる事がありました。

そもそも、実験をギリギリのスケジュールでやらなくていいと思えた時、時間がかかる事に対してのイラつきは無くなり、実験時のミスも減ったので良い方向に運べたと思います。

日本とガーナの違いを見出しにまで出していましたが、実はそんなに大きな違いがないとわかったのは一つの良い驚きですね。

日本とガーナで異なるポイント

  • 壊れていたり、古くて機能が少ない機械を長く使っている。
  • 予想できない事が多く、研究計画はかなり長めに取っている。
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これで大丈夫?ガーナで研究をする時の問題点

ガーナの研究室は衛生環境が大丈夫かはわかりません。日本では起こり得ない事が沢山起こります。

上の項目では日本と違う部分を探して紹介しましたが、実はやってる事はそれほど変わらなかったです。

ただ、日本の研究レベルと大きく差があるなと感じる部分はいくつかありました。

実際に現地で研究をしたからこそ感じた、ガーナの研究レベルを表す問題点はこちらです。

ガーナの研究室の問題点

  • 室外と室内の境界が曖昧で、実験室の環境が良いとは言えない。
  • 実験器具の洗浄や扱い方が雑にみえる。
  • 細かい作業のはずなのに、あまり正確でない。
  • 停電や断水のせいで、実験が中断してしまうことがある。

日本の研究室のほとんどは、大きな建物の1室で外と明確に区別されています。

しかし、ガーナの研究室は外との境が曖昧なままの場合が多くあり、砂埃や虫が簡単に入ってくるように衛生的な場所とは言えません。

ボクが実験している時には、壁から出てきたネズミがボクの足の上を乗り越えていくという想像できない経験をしました。

驚きというよりは困惑の方が強く、しばらくその場で固まってしまったのを覚えています。

停電や断水は実験そのものを中止させてしまうので、やり直しや続きからになるのですが、途中から再開するというのは実験方法としてあまり良いものではなく、早く改善されないかなと思っています。

これらの問題点はガーナという国自体がもう少し発達していけば、改善されていく問題でもあると思うので、気長にその時を待っています。

一方で、器具の扱いや実験の正確性のような人の性格がでる作業に関しては国民性や個人の問題になってくると思います。

ボク自身はそこまで器用でも細かい性格でもないと思っていますが、細かい部分を調べる実験はより繊細に取り組む必要があると思います。

しかし、多くの人が大雑把に実験していた反面、正確に細かくやっている人も少しはおりました。

そういう人が将来には教授や技術士になる事で、繊細に取り組むべき実験の大切さを広めていけるのかなと、将来性の高さには勝手に期待しています。

今回述べたボクが感じた問題点が改善された時、国際的にもガーナの研究レベルが高いと証明されると思うので、日本人としては日本が追い付かれないように今以上に学生や研究者の方には頑張ってほしいと他力本願しています。

まとめ

今回は日本とガーナの大学で研究を実際に行ったボクが感じた事や様子を、実験風景として紹介しました。

正直なところ、留学前はもっと悪い環境で研究しているだろうと勝手に想像していましたが、予想以上にしっかりと設備があり、技術を持っている方がいたりと驚かされる事が多くありました。

また、この記事で紹介した研究室は自身が実験を行っていた場所をメインにしております。

本学キャンパスに隣接する野口英世記念研究所は日本と遜色ないレベルの環境・設備が整っているようにも見えました。

同じガーナ、同じ大学であっても、かけ離れた研究レベルに見える程の違いがあるというのは現地で見たからこそわかるもので、研究留学だからこそできたことです。

普通に留学に行き、現地の授業を受けるだけでも見えてくるものはあると思いますが、チャンスがあるのであれば、研究留学という理系大学院生くらいしかできない事をやってみてほしいなと個人的には思います。

この国ではこんな研究の仕方だった」「こんな環境で研究が行われていた」といった、現地でしか味わえない研究体験をしてコメントで教えてくれたら嬉しいですね。

ボクはガーナの環境でここまで研究結果を出せたんだから、日本でならもっとやれるだろうと、帰国後は前向きに研究と向き合えるようになりました。

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